写真:宇田川 淳
Vol.66 日本最高峰のコートファクトリーによる類まれな “男のアウター” こそ、いま手に入れるべき傑作ワードローブ
ハイテクのスポーツウエア、男女が同じテイストのジェンダーレス、ダボダボのビッグサイズといった近年の流行ファッションが大きく変化しようとしています。いま気になるのは、昔ながらの男らしい服。「タフな男性こそが似合う服」と言い換えてもいいでしょう。ミリタリーウエアがその最たるものです。ここに紹介するのは、そんな軍モノの味わいが感じられる3着の最新アウター。素材、ディテール、そして何より縫製が徹底して追求された、類まれな出来栄えの「サンヨーソーイング デザインド バイ トキト」 です。
日本のコートの代名詞的メーカーである三陽商会の子会社として、最高品質の製品を仕立ててきたファクトリー、「サンヨーソーイング」。設立から50周年を迎えた彼らが、ベテランファッションデザイナーの吉田十紀人さんとコラボして生み出したのがこのブランドです。吉田さんはイギリスのバブアーと協業したジャケットが、007映画「スカイフォール」のカントリーシーンで主役のボンドに着られたことでも知られる人物。ヴィンテージの良さを抽出し、高級感のある服に落とし込む手腕で世界に認められています。
こうして妥協を許さずに誕生したアウターは、まさしく“着るギア” 。道具のように生活を共にし、長年着続けられるアイテムです。まずは上写真のアノラックを見ていきましょう。素材は20世紀半ばのアウトドアウエアに使われた撥水力のあるコットン素材「ベンタイル」。裏地にも同じ生地を使う“無双仕立て” により、内部への水の侵入を2重に防いでいます。3色の生地の切り返しで都会的に仕上げられました。フロントには4つの止水ファスナーポケットがあり、切り返しを利用してシンプルな見た目を実現。各ディテールの面白さを挙げていくとキリがないほど、膨大な手間と愛情が注がれた一着です。
タフな男らしさと精悍なエレガンスとが、見事に一体になったAラインのロングコート。ベースは軍モノのトレンチコートで、胸の斜めポケットがバイカー仕様を示しています。左右の裾を脚に巻きつけられるギミックも搭載。さらにブルゾンのような中綿入りインナーも仕込まれ、フロントファスナーを閉じると風の侵入を防ぎます。取り外せばベーシックなコットンコートになり、仕事のスーツの上にも着やすいでしょう。動きやすさや優雅なシルエットも深く追求された、ほかに類を見ないクラシック・モダンな傑作です。
「ライディングコート」 ¥180,000(税抜)/サンヨーソーイング デザインド バイ トキト(ピーチ TEL:03-5411-2288)
リバーシブルの服は旅行や出張に便利なアイテム。ミリタリー調とイギリスカントリー調とを着分けられるこのジャケットこそ手放せないワードローブになるでしょう。表面はベンタイルコットンで、襟裏に内蔵されたフードを取り出せば突然の雨降りでも安心。裏面は英国羊毛で開発したチェック柄のウール生地で、収納力の高いマチ付きポケットが4つ配置されています。カジュアルなアウターだからこそ物を言うのが縫製の美しさ。ステッチはよどみなく、繊細な仕上がり。上質を知る大人こそ着るべき、またはそうした人に会うときに着ていきたい一着です。
「リバーシブルスポーツジャケット」 ¥120,000(税抜)/サンヨーソーイング デザインド バイ トキト(ピーチ TEL:03-5411-2288)
掲載した3着の販売は、9月6日(金)から。「GINZA TIMELESS 8」、またはECサイト「SANYO iSTORE」(https://sanyo-i.jp/s/)で展開されるのでチェックはお早めに!