キラキラネームの余地なし。ヘンリー王子の子供を待つ英王室の不思議な掟
行き詰まるEU離脱交渉の報道にうんざりしていたイギリス国民にとって、絶好のニュースが舞い込んできた。英王室が2018年10月15日、ヘンリー王子の妻メーガン妃が第一子を妊娠し、来春に出産予定と発表したのだ。
既にブックメーカー各社は赤ちゃんの名前をめぐる賭けの受け付けをスタート。今後メディアも、メーガン妃のマタニティーファッションやベビー用品選びで盛り上がるだろう。
赤ちゃんの王位継承順位は7位。ウィリアム王子の子供たちに比べれば気楽な立場とはいえ、生まれた瞬間から王室のさまざまなルールに従わなくてはならない。例えば......。
【参考記事】「妊娠はウソ」「最低ランク女優」......メーガン妃がネット上で受けているいわれなき罵り
■名前は最低3つ
英王室メンバーはラストネームを持たないが、名前は複数付ける慣例があり、ヘンリーの子供も3~4つ連ねた形になる可能性が大。例えばエリザベス女王はエリザベス・アレクサンドラ・メアリー、ウィリアム王子はウィリアム・アーサー・フィリップ・ルイといった具合だ。選ばれるのは広く知られる伝統的な名前ばかりで、「キラキラネーム」を紛れ込ませる余地は限りなくゼロ。
■王子・王女の称号はなし?
基本的に王子・王女の称号を与えられるのは、君主の息子の子供まで。ウィリアムやヘンリーの子供は君主(エリザベス女王)の息子の孫なので本来なら該当しないが、このルールは君主の「鶴の一声」で柔軟に変えられる。
ウィリアムの子供たちの場合は、生まれる前に女王が称号を与えると公言したので全員王子・王女。本人たちは煩わしいだけかもしれないけど。
■洗礼式のドレスコード
ロイヤルベビーにとって初の公式行事、洗礼式では王室に代々受け継がれるガウンを着るのが慣例。1841年にビクトリア女王が長女に着せた洗礼式用ガウンで、これまで60人以上が着用した。次第に生地がもろくなり、08年からはレプリカが用いられているが......。
文:ニューズウィーク日本版編集部
[2018年10月30日号掲載]