エプロンの完成度が高すぎて売れ筋一位に。次世代リラックスウエアの、本命ブランドはこれか!?

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    構成、文:高橋一史
    写真:宇田川 淳

    Vol.42 エプロンの完成度が高すぎて売れ筋一位に。次世代リラックスウエアの、本命ブランドはこれか!?

    ATELIER BÉTON

    今回ご紹介する「アトリエ ベトン」は、2015年に誕生した日本のファッションブランドです。早くも「ビオトープ」、「エイチ ビューティ&ユース」、「インターナショナルギャラリービームス」などハイセンスな店で取り扱われ、海外ブランドと肩を並べる実力を見せています。ちょっと珍しいのが、毎シーズン、ワークエプロンをつくっていること。そしてこのエプロンは意外にも、このブランドの中で売れ筋ナンバーワン! なぜエプロンが人気なのか、さらに、パッと見では気づきにくい、服の着心地や機能性に込められた工夫を紐解きます。

    ブランドのテーマは、「生活を快適にする暮らしの道具」。ユーモラスに、「引きこもりのための服」とも称される、ワーク&リラックスウエアです。ただしそのデザイン性は、モードにも通じる現代的なもの。高級素材を惜しみなく使い、外出着として申し分ないクオリティを有しています。

    そのアトリエ ベトンを象徴するアイテムが、エプロンなのです。ガレージ、ガーデン、キッチンと、自在に活用できます。ここに掲載した2着に大きく書かれたドイツ語の意味は、「引きこもり」(写真右)、「ツールエプロン」(写真左)。使われた生地は大阪の、「富士金梅」帆布です。切りっぱなしのような生地端の “耳” がポケットのエッジに用いられ、手を入れやすく、見た目もすっきり。洗濯後の乾きも早いこのエプロンは、洒落感と実用性のバランスが実に巧みです。カフェスタッフなどに愛用されているのも納得の優れモノです。

    ドイツの工業製品とリンクする世界。

    ハリのある「タイプライタークロス」生地のシャツは、一見するとごくノーマル。しかし、二重になったフロントをちらっとめくると、エプロンポケットが出現! 裾の周囲にぐるっとつけられた計5個の隠しポケットに財布やスマホを入れれば、手ぶらで外出できます。布の重なる部分の裾にはスリット(切り込み)があり、隠しポケットに手をいれやすく工夫されています。
    さらにこのシャツは、袖にカフスがないのも特徴です。自由にまくって着られて、フロント全開でジャケットとして羽織るのもOK。一着でさまざまなシチュエーションに対応する、着る人に優しい服です。

    シャツ¥29,160(税込)、ジャーマントレーナーのスニーカー¥32,400(税込)/ともにアトリエ ベトン(スタジオ ファブワークTEL:03-6438-9575)

    今季のトレンドである、もこもこしたボア生地のアイテムも、アトリエ ベトンは一味違います。プルオーバーとパンツは共生地で、コットンで織られた珍しいボアです。分厚く吸収性もよく、快適に着られます。各パーツをつなぐ縫い目をフラットな縫製仕様にして、着心地のよさがさらに高められました。
    ゆったりとした形がイマドキなプルオーバーは、袖先が長くなっています。普段はまくり、寒い時に手を覆えます。両サイドのポケットに手を入れ、ドローコードで裾を狭めれば、冬の防寒も万全です。

    プルオーバー¥39,960(税込)、パンツ¥37,800(税込)、裏パイルソックス¥2,808(税込)/すべてアトリエ ベトン(スタジオ ファブワークTEL:03-6438-9575)

    photo: ©ATELIER BÉTON

    アトリエ ベトンが好むインテリアは、ドイツの工業製品。写真は名匠ディーター・ラムスがデザインした、「ブラウン」の1960年代のラジオ。ミニマルな機能性や、ニュートラルな色彩が、ファッションデザインのヒントになっています。

    photo: ©ATELIER BÉTON

    今季2018-19年秋冬シーズンの公式ルックより。全身をパステルトーンのブルーグレーで揃えた、スタイリッシュなワークスタイルです。シャツとスニーカーは、今回掲載したものと同じアイテム。パンツは、サーマル素材のスパッツと、シャツと共生地のショートパンツがレイヤードされた一着。着こなしに悩まず、気軽に穿けるリラックスパンツです。

    photo: Kazushi Takahashi

    今季コレクションの色彩は、グレイッシュなトーンが中心。パステル調の、白、グレー、ブラウン、ピンク、ネイビーらがさまざまな生地に用いられています。上の写真は展示会の1シーンです。ラインアップには、真冬向けのウールコートやボンバージャケットなども用意されています。
    実用性重視な人にも、次世代ワードローブを探す人にも、単に新しモノ好きな人にもフィットする服です。アトリエ ベトンは多くの人の期待に、必ずや応えてくれるでしょう。


    http://atelier-beton.jp

    裏面につけられた「富士金梅」帆布の織りネーム。
    記事冒頭のエプロン、各¥6,264(税込)/ともにアトリエ ベトン(スタジオ ファブワークTEL:03-6438-9575)