そろそろ店頭には、昨年、2015年のブドウで造った日本ワインが並び出しています。
今回、ご紹介する「タケダワイナリー サン・スフル 白 2015（発泡）」は、昨年の夏に収穫されたデラウェアでつくられた微発泡性の新酒です。泡立ちとともに広がるパイナップルのような香り！フレッシュな果実味！爽快なキレ！思わず、クイクイと飲んでしまいます（実際にアルコール度数がやや低めなんだけど）。

このワインは、発酵途中、甘さが残ったまま瓶詰めして、瓶の中でさらに発酵させてつくられています。発酵によって発生した二酸化炭素は逃げ場を失って、ワインに溶け込み発泡酒ができあがります。霞がかかったようにうっすらと濁っているのは、ワイン中の酵母のせいです。

2006年、醸造家である岸平典子さんが初めてこのワインをつくろうと思ったのには、３つの理由がありました。ひとつは、見過ごされそうになっていたワインの原料であるデラウェアに光をあてたかったから。ふたつ目は、数年前まで実施していた秋の収穫祭の時に振る舞うデラウェアのもろみの美味しさを一人でも多くの人に味わってもらいたかったから。そして３つ目の理由はフレッシュな果汁のおいしさをストレートに表現した微発泡酒（フランスではペティアンといいます）をつくりたかったから。

そんな思いが込められたからこそ、ワインは酸化防止剤無添加のまま瓶詰めされています。ナチュラルな味わいのワインは、初リリース直後から大ヒット。いまでは多くのつくり手たちが、こぞってデラウェアでペティアンを造るようになりました。

ノドをうるおす１杯目にもぴったりです。まずはお試しを！