アウトドアを生活のフィールドにするプロフェッショナルが信頼を寄せ、街着としても人気の高いカナダグース。新しい日常に寄り添う先進的な技術や素材に注目し、この春使える4アウターを紹介。
都市部に新しい生活様式が広がり、家と外とがシームレスにつながる時代を迎えている。望まれる服装は、日常をより快適にするアクティブなもの。コワーキングスペースやシェアオフィスに向かう自転車に乗るとき気分を爽快にするのは、春の風を感じるスポーティなアウターだ。なかでもフードつきのレインパーカなら、雨の日に近場に出かけるにも傘をささず手ぶらで過ごせる。外出中に突然天候が崩れても、慌てて走り出す心配もない。カジュアルな1着が、心を自由に開放してくれるのだ。
アウトドアを生活のフィールドにするプロフェッショナルが信頼する防寒服が、街着としても大人気のカナダグース。それらのアイテムと同様に、機能に優れる春夏向けのアウターがある。大人にふさわしい品格のあるスポーツウエアを求める人も、愛するカナダグースと年間通して一緒に過ごしたい人にもフィットするライトなシリーズだ。ここでは2021年前期のラインアップから、厳選した4着に注目した。すべて雨風を防ぐタフなレインウエアの性能を搭載している。似たように見えて実は個性が異なるデザインのなかから、パーソナルな嗜好に合う愛用品がきっと見つかるはず。
"プロ仕様"を街着に落とし込んだ、「ロックポート ジャケット」
記事冒頭写真の白アウターは、カナダグースが誇る防寒服のアーカイブから着想された本格装備の「サイエンス リサーチ ジャケット」(詳細は次ページ)で、このモデルを日常着にアレンジしたバージョンが21年の新作となる「ロックポート ジャケット」(3月6日発売)である。着丈が短くなりポケットの数も計6個に減り、その分軽量化された。大きさを微調整可能なフードは裏地つきで、ネック部分も顎まで覆う長さ。雨風の侵入をシャットアウトすると同時に、温かさの調整もしやすくなっている。インナーに厚手のセーターでも着れば、真冬でも問題ないだろう。
荷物を収納しやすいサイドのマチつきポケットはサイエンス リサーチ ジャケット譲りのディテール。背中に横一直線についたダブルストライプのリフレクターは、ロックポート ジャケットだけのオリジナルだ。車のライトを反射させて視認性が高まるため、夜間に自転車で移動するとき着るのにも向く。本体生地の質感は、ハードシェルと呼ばれる固めで頑丈な風合い。マウンテンウエアのように身体を守ってくれる安心感が心地いい。
北極の科学者たちのためにつくられた、「サイエンス リサーチ ジャケット」
カナダグースのフラッグシップといえる1980年代に誕生した「エクスペディション パーカ」は、南極の研究者のために開発された寒冷地向けのアウター。その流れを受け継ぎ、同様に科学者と共同開発された本格機能の軽量モデルが「サイエンス リサーチ ジャケット」(3月6日より発売)である。これも前ページのロックポート ジャケットと同様に今季のニューモデルだ。内部にダウンは仕込まれず、夏を除く3シーズンに対応する1着に仕上がっている。
フロントのダブル式ファスナーの下部分だけを開けば、脚を動かしやすく座りやすくもなる。前全開で羽織っても風で脱げてしまわないように、ウエストだけを軽く留められるパーツも内側に搭載。これは、もともとは雪の侵入を防ぐ機能だという。
カナダグースのアウターはどれも腕を動かしやすく立体裁断されているが、このモデルも袖と脇下の可動域が広い。複雑に配されたパーツにはひとつ一つに確かな役割があるのだ。ポケットは外側に6個あり、内側にも3個つく。どれも容量があるので、男性が日常的に使う荷物の収納は万全だ。これほど機能的ながら、見た目はすっきりとスタイリッシュ。基本であり究極、それこそがサイエンス リサーチ ジャケットの真髄だ。
防水性が高く、持ち運びにも最適な超軽量ジャケット
機能性満載の「シーウルフ ジャケット」
豪雨にも耐えうるレインウエアの機能を追求したのが「シーウルフ ジャケット」だ。裏地のつかない軽量仕立てで、小さく折り畳んでフードの内側に収納できる。雨が心配な日や旅行時にバッグに入れて持ち運ぶのにも最適な服といえる。生地はカナダグースが開発した柔らかい3層レイヤーのトリデュランス生地。背中のヨークは本体に被せたような構造で、身体から出た熱を下部から外に逃がす。さらに脇下には大きく開くファスナー式ベンチレーションも装備。各ディテールがムレがちな暖かい気候向けに工夫されている。大胆な袖のブランドディスクロゴ、モッズコートのような裾のフィッシュテールなどモダンなファッション性の高さもこの服ならではの魅力だ。
サッと羽織れる、防水性と通気性兼ねた「ナナイモ ジャケット」
「シーウルフ ジャケット」より短め丈が好みな人にぴったりなのが、素材や構造が同様でミドル丈の「ナナイモ ジャケット」である。ナナイモとは、カナダのバンクーバー島の都市の名称のこと。真夏まで着られる薄手生地ながら、タフなレインウエアの性能をもつ。暑いときは脱いで小さく折り畳み、バッグに入れてしまえばいい。ポケットは胸と両サイドのファスナーポケットの合計3個。そして着ると便利さに気づくのがフロントのスナップボタンだ。雨の日に素早く外に出たいとき、1、2箇所パチンと留めるだけでOK。仕事場とレストランの往復などなら十分に間に合い、着る所作もスマートだ。ここに掲載した4着すべての共通仕様であり、実用性がよく考えられたパーツである。
カナダグースが取り組む、サステイナブルな活動とは?
近年になるまで世界のどこにも直営店を持たず、孤高の道を歩んできた1951年創業のカナダグース。そのブランドが長年に渡り日本でもトラッド、アメカジ、アウトドアらを好む人々を中心に支持されてきたのは、極寒の地を有するカナダで生まれた、マイナス数十度の気温に耐えうるプロスペックのアウターの存在が理由だ。独自開発のポリエステルコットンを表地に使った味わい深いダウンウエアが、アドベンチャーへの憧れの象徴となった。その知名度が一般層にまで広がったのは、スリムに簡素化した街で着やすい「ジャスパー パーカ」が2012年に登場したのがきっかけ。ナチュラルスタイルの流行とも合致して瞬く間に人気が広がり、カナダグースは「誰もが1着はほしい」防寒アウターのポジションを確立していった。
その彼らが現在取り組んでいるのが、全世界のファッション産業の急務とされるサステイナビリティを前提にしたモノづくりである。20年4月の声明では、SDGsをサポートする主に5つのコミットメントが発表された。その内容は、「25年までに温室効果ガスを実質ゼロにするカーボンニュートラルの達成」「22年に動物の毛皮(ファー)の新規仕入れを終了し、再生利用された毛皮だけを使う製造プロセスの実現」「ダウンやフェザーを採取する動物に配慮した、レスポンシブル・ダウン・スタンダード(RDS)の21年中の完全承認」「持続可能なサプライチェーンに基づく製品を認証する、ブルーサイン(Bluesign®)の25年度の90%達成」「カナダグースが管理・所有するすべての施設でのプラスティックの使用廃止」。これらを達成すべく、社を上げて取り組んでいる。
我々も着る服を選ぶ時、ブランドの姿勢を問うことが大切になった。意味のある服を手に入れ、長く愛用して資源を無駄にせず廃棄物を減らすことが望まれる。こうした一人ひとりの意識改革こそが、ファッション産業を持続可能な未来へと導く。
カナダグースのブランドとしてのフィロソフィーと、サステイナビリティへの決意を表現する動画。HUMANNATURE=「地球を冷たく保ち、人々を暖かくする」というミッションを掲げる。
【各アイテムの公式ページ一覧】
SCIENCE RESEARCH JACKET(サイエンス リサーチ ジャケット)
LOCKEPORT JACKET(ロックポート ジャケット)
NANAIMO JACKET(ナナイモ ジャケット)
SEAWOLF JACKET(シーウルフ ジャケット)
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問い合わせ先/カナダグース TEL:03-6758-1789
https://www.canadagoose.jp/