1874年創業のウォッチ&ジュエリーメゾン、ピアジェ。至高の技が光るピアジェのものづくりの全貌を、6つの視点から紐解いていく。第1回は、ピアジェを語る上で欠かせない、機械式時計の“薄さ”について紹介したい。
ピアジェの魅力のひとつは、機械式腕時計の“薄さ”である。真の高級ドレスウォッチの必須条件は、ムーブメントから薄くなければ成立しないことだ。ピアジェはその基本から、すべてを自社内で解決してきたブランドである。もはや伝説となった機械式手巻きムーブメント9Pが、わずか2mmの厚さを実現したのが1957年。現在の「アルティプラノマニュアル」に搭載された430Pはその血脈に連なり、完成度を極めた2.1mm厚の超薄型ムーブメントである。
全体の調和をとりながら機械式ムーブメントを薄くすることは、実際問題、非常に難しい。ピアジェは最初から自社製作することで、絶対のバランスを保ち、信頼に足る超薄型ムーブメントを実現した。そして今日に至るまで、その奇跡的な作業は自社工房のみで続けられている。
薄さは目的である以上に、ピアジェだけのスタイルを実現する手段だ。衣装が映えるランウェイのモデルに、望ましいプロポーションがあるようなもの。厚さ6mmの魅力的なアルティプラノマニュアルの中には、それ自体も魅力である、小さく完全な世界がある。ピアジェは自らムーブメントをつくることで、外と内のすべてを、精到に調和させるのである。
問い合わせ先/ピアジェ コンタクトセンター TEL:0120-73-1874 www.piaget.jp