「メイド・イン・USA」の名品に多くの人が魅了されるのは、その歴史に、モノづくりの根底に、確かなストーリーがあるからではないでしょうか。今回は知っておくべき、あるいは学んでおきたいストーリーをもった新定番と呼ぶべきアクセサリーを集めました。
着こなしに彩り、あるいは個性を演出するのが、小物=アクセサリーの重要な役割といえます。袖口や胸元に気の利いた小物を配したり、ひとつのアイテムを着こなしに取り入れただけで、全体の雰囲気が劇的に変化することもままあります。アメリカで生まれた良質な小物の特徴は、質実剛健な佇まいとアメリカらしい進取の精神にあるといえるのではないでしょうか。身に着ける人のスタイルを一段格上げしてくれ、そのこだわりが主役級の輝きを放つような新しい定番といえる小物をご紹介。
クロムハーツ――スタイルに洗練を加える、クラフト感漂う22Kブレスレットとリング
世界中のセレブリティやファッショニスタに絶大なる人気をもち、ジュエリーやレザーアイテム、ウエアなどを展開するライフスタイルブランドが「クロームハーツ」です。このブランドはアメリカのカリフォルニアで、リチャード・スタークと妻ローリーによって設立されました。自ら身につけるレザーのライディングウエアを自分たちの手で製作したことからクロムハーツの最初の物作りが始まり、いまでは豊富なラインナップを展開しています。誇り高き品質、積み上げてきた歴史、卓越したディテールは、いまやキッチンアイテムや家具まで展開するライフスタイルブランドへと成長しましたが、ジュエリーがブランドアイコンのひとつであることは間違いありません。今回紹介するのは深い輝きを纏う22Kのブレスレットとリングです。ブランド独自の世界観とクラフトマンシップが随所に感じられ、繊細なそのデザインに高いファッション性まで感じられます。最良のデザインとクオリティを追求し続けるアイテムはアメリカを代表する名品です。
フィルソン――古きよきアメリカを知る、丈夫なミディアムフィールドバッグ
アメリカを代表するアウトドアブランド「フィルソン」は、1897年、ゴールドラッシュに沸くワシントン州シアトルで生まれました。金鉱の採掘という過酷な環境に耐えうるようなワークウエアを開発、最上の天然素材と妥協のない設計と縫製を備えた「フィルソン」のコレクションは、多くの労働者やアウトドアーズマンから支持を集め、アメリカを代表するアウトドアブランドへと成長しました。「ミディアムフィールドバッグ」は、同ブランドの特徴を表現した名品です。素材は「フォルソン」の定番ともいえる22オンスのヘビーデューティなコットンツイル素材を採用しました。ショルダーストラップなどには肉厚で頑丈なブライドルレザーが使われ、使い込むほどに味わいが増します。開口部が楕円形にデザインされているので、中身が突然飛び出すことなく、大きなフラップは雨水の浸入を防いでくれます。素材からディテールまですべてがヘビーデューティ。もちろんアメリカで生産されています。
レディ・ホワイト・カンパニー――西海岸で生まれた、スエード素材のベースボールキャップ
「レディ・ホワイト・カンパニー」は、アメリカのデニムブランドの「ライジング・サン・ジーンズ」でキャリアを積んだフィリップ・プロイスがロサンゼルスで2015年に設立した新鋭のブランドです。日本のアメカジブランドからインスパイアを受けて、シンプルで高品質なTシャツ、特にホワイトTに焦点を当ててブランドはスタートしました。「Tシャツはスポーツウエアの最も基本となるもの。アスレチックスからミリタリーまで、Tシャツはいつもユニフォームの一部であり、デニムと同じく、人々の心を捉えてきた」と話すフィリップ。Tシャツはアメリカ国内生産のコットンを使い、ロサンゼルスの工場で生産されています。今回紹介するのはスエード素材のベースボールキャップです。なめらかな毛足のスエードを使い、同ブランドのTシャツに使われるステッチで縫い合わせている点がこのブランドらしいセンスです。まさに大人顔をしたベースボールキャップです。
トリーレザー――職人の手仕事から生まれた、極上のベルト
1976年、アメリカのペンシルバニア州で馬具メーカーとして創業されたのが「トリーレザー」です。良質なブライドルレザーを使い、馬具、バッグやベルトなどを自社工場で熟練した職人がハンドメイドでつくるというクラフツマンシップあふれるレザーブランドです。何度もロウを塗り込み、長い年月をかけて仕上げられたブライドルレザーは極上の光沢を備えています。しかも堅牢で、経年変化も楽しめる一品です。アメリカ製ながらコストパフォーマンスに優れているというのもこのベルトの魅力のひとつではないでしょうか。今回紹介するのは、25mm幅で、シルバー色のバックルが付いたベーシックなモデル。色は「ハバナ」と呼ばれるダークブラウンで、どんなスタイルにもマッチするレザーベルトではないでしょうか。
スペクタクラーズ――ヴィンテージを彷彿させる、精巧なカラーセル眼鏡。
「スペクタクラーズ」は、アセテート(プラスティック)素材の眼鏡をアメリカ国内で生産し続ける希少なアイウエアブランドです。このブランドを立ち上げたのはウィリアム・ヴェトリ。1980年代からニューヨークでヴィンテージ専門の眼鏡店「ファビュラス ファニーズ」を経営していた人物で、その彼が2004年に自分たちのショップのためにアメリカ製の眼鏡を復活させようとつくったコレクションが「スペクタクラーズ」です。アメリカ製のヴィンテージ眼鏡を熟知した彼がデザインした眼鏡は細部にわたって、アメリカンテイストを感じさせるものです。今回取り上げたウェリントンタイプのセルフレームはグリーンの色合いがとても美しく、ヴィンテージテイストが薫ります。アメリカ製ということはもちろんですが、その独特のカラーにも唯一無二の個性を感じさせる眼鏡だとで断言できます。し
ジュリアンブーツ――伝統の技が光る、希少なアメリカ製のレースアップブーツ
ブーツマニア、靴好きに注目されているロサンゼルスのシューズブランドが「ジュリアンブーツ」です。英国生まれのジュリアン・イマリオが自身の名を冠したブランドを立ち上げたのは2007年。紳士靴の聖地である英国のノーザンプトンで木型(ラスト)を、スイスで革の染色技術を学んだジュリアンは、これらの技法とアメリカの伝統的な靴づくりを駆使し、すべての工程を手作業で行う「ジュリアンブーツ」を完成させました。世界的に有名なブランドやショップのブーツの製作などを手がけ、話題を集めますが、名声を高めたのは「RRL」との取り組みです。「LIMITED EDITION BOWERY BOOTS」と書かれたファーストモデルは40足生産されましたが、発売後、即完売したため、幻のブーツと呼ばれました。現在はコレクションも増えましたが、現在もオールハンドメイドにこだわっているため、年間でも限られた数しか生産されない貴重なアメリカ製ブーツです。