時間の経過とともに、ものに付加価値を与える〝熟成〞という概念。異なる分野で活躍する二人が「食」と「酒」の垣根を越え、奥深い熟成の魅力に迫ります。
ウイスキーの味わいや香りを左右する、原酒の熟成度。「富士山麓 シグニチャーブレンド」は、原酒それぞれの特長が最も華やぐタイミングである熟成のピーク、すなわち「マチュレーションピーク」を迎えた状態の原酒のみを厳選してブレンドしている点が、最大の特長です。今回、キリンビールのマスターブレンダーである田中城太さんが、食の分野における熟成のプロと邂逅。ビストロ「下北沢熟成室」のオーナーシェフ、福家征起さんに持参してもらった肉料理を囲み、熟成がもたらす不思議な効果について語り合いました。
感動をもたらす、「熟成」という名の魔法。
「私の店では、フレッシュな野菜から始まり、数日から1カ月ほど熟成させる肉料理、数カ月から数年熟成させるチーズやワインと、テーブルの上でさまざまな時間軸を楽しんでいただけます。一般的に肉の熟成は、肉がもつ酵素でたんぱく質が分解されて、うまみの元であるアミノ酸に変わる現象を利用して行われます。高価な肉ではなくても、この熟成というひと手間を加えることで、肉の味は格段に上がります」と、福家さん。ひと言に肉と言っても、牛、豚、鶏、羊と、肉の種類が違えば熟成の作法もさまざまです。その肉の特長に合わせた熟成法と、調理法を見極めることこそが、福家さんの得意分野なのです。
これを受けて田中さんは、「10年ほど前にアメリカで初めて熟成肉を食べた時に、こんなに味わい深い肉は食べたことがない! と感動したことを覚えています。また肉の熟成とは別に、一晩寝かせたカレーのように、時間の経過でよりおいしくなる料理もありますよね。ただ、それも2日以上経つと、次第にそれぞれのスパイスの鮮やかな特長が薄れ、風味の輪郭がボヤけていくことがあります」と、自身でもカレーをつくることが好きな田中さんが、実体験を交えて語ります。
特長を最大限に活かす、「マチュレーションピーク」という概念。
ウイスキーの熟成とはメカニズムがまったく異なるものの、田中さんが語ったこのカレーの話は、まさしく彼が掲げる「マチュレーションピーク」という概念を端的に表しています。ただ長く熟成させたからおいしくなるというわけではなくて、ウイスキーの原酒や食材が本来もっている特長や個性が、いちばんよく表れているステージを見極め、引き出すことのほうが重要なのです。さらに福家さんは、「富士山麓 シグニチャーブレンド」を構成する原酒と製品をそれぞれテイスティングしながら、ウイスキーと肉料理の相性のよさにも注目しました。
「料理とのペアリングといえばワインにばかり目を向けていましたが、ウイスキーがシャルキュトリの脂っぽさやしょっぱさをすっきりと流してくれますし、両者のフレーバーの相性も非常にいいですね。フレンチでは料理にブランデーを使うことが多いのですが、ウイスキーを使ってみるのも面白そうです」
表現方法こそ違えど、材料の特長を最大限に引き出すことで、いまあるものを、よりおいしくしようとするふたりの姿勢は変わりません。田中さんが手がける「富士山麓 シグニチャーブレンド」も、そんな熟成の真価を感じさせる、職人技の結晶といえます。
問い合わせ先/キリンビールお客様相談室 TEL:0120-111-560(平日のみ受付 9時~17時)
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