“本物”のダッチオーブン「コンベック」で、旨味たっぷりの休日料理を楽しもう。

  • 写真:宇田川 淳
  • スタイリング:廣松真理子
  • 文:岩崎香央理
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ダッチオーブンといえばアウトドアで活躍するものという印象がありますが、このオランダ生まれの「コンベック」は、自宅のキッチンに並べておきたいスタイリッシュなデザイン。短時間で料理をおいしく仕上げられるこの鍋ならではの料理を、レシピとともに紹介します。

アウトドアでも、自宅のキッチンでも存在感を発揮する、シンプルで美しいデザインのダッチオーブンです。

ダッチオーブンは、“ダッチ”と名のつく通りオランダを由来としながらも、オランダ製が長らく存在しなかったことをご存じでしょうか?  製造の起源は300年以上も前でありながら、本国では生産が途絶えており、それを蘇らせたのが、オランダ人デザイナーのマーク・スビエールです。「オランダでもう一度ダッチオーブンの生産を」という思いのもと、「廃材に息を吹き込む」という意味も込め、「Come back(カムバック)」にかけて"COMBEKK(コンベック)"と名づけたのです。

コンベックに使われている鋳鉄とは、なんと廃線になった鉄道のレール!  時を超えたロマンを秘めつつ、ダッチオーブンの質実剛健さはそのままに、武骨すぎないスマートなデザインを実現しました。本体に埋め込まれた丸窓のサーモメーターも、「真面目だけれど愛嬌のあるヤツ」という印象を与えてくれます。

手に持つとずっしり重たく、蓋も厚手。蓄熱性に優れているため、料理を短時間で驚くほどおいしく仕上げてくれます。煮る・焼く・蒸す・揚げるなど、さまざまな調理を得意とするコンベック。今回つくるのは、「ビターバレン」「魚介のスモーク」「スペアリブのロースト」の3品。ダッチオーブンの魅力を活かした、野趣あふれる料理をお愉しみあれ。

オランダの定番料理、ビターバレンもさっくりふわっと。

揚げたてのビターバレンに、マスタードをつけてかじるのがオランダ流。

まずはダッチオーブンのふるさとに敬意を表して、オランダの郷土料理「ビターバレン」をご紹介しましょう。これはクロケットに似た揚げ物で、本国ではビールのおつまみやファストフードとして親しまれているもの。揚げ物は温度調節が難しい……と思う人も、コンベックなら大丈夫。厚手の鋳鉄鍋は蓄熱性に優れ、温度を一定に保ちやすいため、揚げ物調理に適しています。コンベック独自のサーモメーターも威力を発揮。針と目盛りを眺めながら火加減を調整していると、まるで理科の実験のような気分にもひたれます。さっくりときつね色に揚がったビターバレンをかじってみると、中はふんわりクリーミー。思わずもうひとつと手が伸びる、オランダのソウルフードです。

牛モモ肉をベースとしたベシャメルを、直径5cmほどのボール状に丸めてしっかりと衣をつけます。
高温で色づくまで揚げれば、中まで火が通って出来上がり。
サーモメーターで、調理中の鍋の温度が一目瞭然。
牛肉の野性味とベシャメルの優しさがマッチ。マッシュルームを刻んで混ぜてもおいしい。

[作り方]

 1. 牛肉は一口大にカットして塩コショウで下味をつける。
 2. 鍋に水、くし形に切った玉ネギ、輪切りにしたニンジン、セロリの葉、つぶしたニンニク、ローリエを入れて火にかける。沸騰したら1を加え、弱火〜中火で蓋をして40分。途中、アクを取りながら煮込み、肉に火が通ったら粗熱を取る。肉を取り出して細かく刻んでおく。煮汁は漉しておく。
 3. ベシャメルをつくる。別の鍋にバターを入れて火にかけ、溶けてきたら小麦粉を加える。手を止めずしっかりと混ぜ、ふつふつと泡立ったら2. の煮汁を少しずつ加えてなじませる。
 4. 3に1の牛肉とパセリ、ナツメグ、塩コショウを加えてよく混ぜる。バットに移してラップをかけ、冷蔵庫で冷やす。
 5. 4を10等分にして丸め、小麦粉、溶き卵、パン粉の順につけ、190℃の油で揚げる。

[材料](10個分)
牛モモ肉…200g
玉ネギ…1/2個
ニンジン…1/2個
セロリの葉先…10cm
ニンニク…1片
パセリのみじん切り…大さじ2
ローリエ…1枚
ナツメグ…適量
塩コショウ…適量
水…800ml
(ベシャメルの材料)
バター…60g
小麦粉…60g
肉の煮汁…300ml
(衣の材料)
小麦粉、卵、細目のパン粉…適量

アウトドア気分で豪快に楽しむ、旨味が詰まった魚介の簡単スモーク。

鮮やかな魚介を、鍋ごとテーブルに運んで。写真右のオランダ製レザーグローブ¥9,720(税込)も、コンベックの商品です。

ダッチオーブンといえば、やはり醍醐味はアウトドア・クッキング。ウッドチップを使ったスモークは、自宅の庭でも試せる、簡単で豪快な料理です。香りのよい桜のチップを敷き詰めて火にかけ、好きな魚介類を並べて蓋をするだけ。コンベックの重厚な蓋が熱と煙を閉じ込め、短時間で素材の旨味をぎゅっと凝縮させたスモークが出来上がります。

ピチピチした新鮮なエビにホタテ貝、そしてムール貝。蓋を開けたとたん、彩りを増してふっくらと燻された食材に思わず目を見張り、歓声が上がること必至。レモンをかけて頬張るもよし。何もつけなくても、桜チップの芳しさが風味を添えてくれます。

新鮮な魚介が手に入ったら、ダッチオーブンの出番。簡単スモークに、いざ挑戦!
スモークには、桜のウッドチップがお薦め。香りが強めで、肉や魚との相性よし。
ほんの10分、まさにダッチオーブンの魔法!  蓋を開ければ、極上の一品が完成。

[作り方]
1. ダッチオーブンに桜チップを敷いて火にかける。
2. 煙が出てきたら、魚介類を入れて弱火で10分ほど燻す。

[材料]
ホタテ貝…2個
エビ…6尾
ムール貝…4個
桜チップ…適量

ダッチオーブンの定番・スペアリブを、香ばしくロースト。

暑い夏には、元気の出る肉料理を。妖艶な果実の彩りが、大人の食卓を演出します。

食材全体に均一に火を通し油なじみがよく、焦げつきにくいコンベック。ダッチオーブンの定番ともいえるスペアリブのローストは、その特徴を最大限に発揮できる料理です。大切なのは、肉の表面を香ばしく焼きつけること。熱回りのよい厚手のコンベックなら、蓋をして蒸し焼きし、焼き色をつけながらも焦がさず、中までしっかりと火を通せます。こんがりローストされたスペアリブに煮詰めたブルーベリーのソースをたっぷり絡めれば、嚙み締めるほどに広がる肉の旨味と、コクのある甘酸っぱさ。夏の太陽の下でかぶりつきたい、ワイルドで魅惑的な一皿の出来上がりです。

白ワインやニンニク、ブルーベリーとマリネすることで、骨つき肉がやわらかく風味豊かに。
素材の旨味と艶を引き出すローストは、ダッチオーブンが最も得意とする調理法。

[作り方]
1. スペアリブに塩コショウし、白ワインとはちみつをかけて軽く揉み込む。
2. 玉ネギ、トマトを一口大にカットし、ニンニク、ブルーベリーとともにブレンダーにかけて攪拌する。
3. 2を1にかけて揉み込み、1時間ほど漬け込む。
4. 鍋にオリーブオイルを入れて火にかけ、軽く水気を切った3を入れて蓋をし、弱火で15分ほど蒸し焼きにする。
5. 蓋を開けて中火にし、時々返しながら水分を飛ばし、肉の両面に焼き色をつける。
6. 別の鍋に3のつけ汁を入れて火にかけ、煮詰めてソースにする。塩コショウで味を調える。

[材料]
スペアリブ…300g
玉ネギ…1/2個
ニンニク…1片
トマト…中2個
ブルーベリー…50g
はちみつ…大さじ3
白ワイン…80ml
塩コショウ…適量
オリーブオイル…大さじ1

温度管理がしやすいから、普段の料理にも活躍する。

伝統的な厚手の鋳鉄製でありながら、本体にサーモメーターがついた斬新な設計。「コンベック ダッチオーブン サーモメーター 24cm」ブラック¥34,560(税込)
蓋の内側に円を描くラインと突起加工が、水分を循環させ、旨味を全体に行き渡らせます。
レイルウェイシリーズには、廃線となった鉄道線路をリサイクルした材料が、約70%使用されています。
マット仕上げのホウロウ加工で、油なじみがよく、焦げつきにくい。

コンベックは一般的な鋳物鍋に比べて重厚に作られているので、錆びや焦げつきに強いのはもちろんのこと、蓄熱性に優れ熱回りが均一で、低温での肉のロースト、シチューなどの煮込み、パン焼き、炊飯といったあらゆる調理に向いています。デザインとしても楽しめるサーモメーターのおかげで、蓋を何度も開けて中を覗く必要がなく、温度管理がしやすく便利。鉄道のレールをリサイクルしたレイルウェイシリーズは、リサイクル過程で不純物が徹底的に取り除かれ、40年以上使用できるというクオリティです。

無駄のない堅牢なデザインと、シックなカラーリング。メイド・イン・オランダらしい本物のダッチオーブンは、長く付き合える特別な鍋になること間違いなしです。

ダッチオーブンには珍しいグリーンのカラーも。「コンベック ダッチオーブン サーモメーター 24cm」グリーン¥34,560(税込)
ブラックよりもスタイリッシュなカラー、グレーはイチオシです。「コンベック ダッチオーブン サーモメーター 24cm」グレー¥34,560(税込)

問い合わせ先/アスプルンド TEL:03-3769-0788 www.asplund.co.jp
※9月上旬より発売予定