モノやコトの本質に向き合い表現をするクリエイターと、デザイン性と機能性を追求するザネラートのバッグは、さまざまな部分でシンクロします。そこで、各分野のトップランナーに密着し、“ザネラートがある日常”を観察。そのリアルな魅力に迫る連載企画をスタートします。
ハイクオリティな仕事の現場に、上質なバッグは欠かせません。独自性と確実性を高い次元で両立しているトップクリエイターであれば、妥協なきこだわりは当然バッグにも及んでいるはず。コンピューターを”手足”としてではなく、創造のための”頭脳”そのものとして活用し、建築の新たな可能性を模索し続けている豊田啓介さん。そして、均整のとれた正方形フォルムが魅力の、ザネラートの新作バッグ「スクエロ」。一流クリエイターと傑作バッグ──両者の姿勢や哲学が重なって見えるのは、当然のことといえるかもしれません。
型にはまらない、“多分野横断型”の働き方とは?
東京大学から安藤忠雄建築研究所、そしてニューヨークのSHoP Architectsへ──。建築業界のエリート街道を邁進しながら、独自の解釈で社会や環境のアップデートを目指すべく、デザイン事務所「noiz」を創設。既存の建築という概念に囚われない自由な発想と、デジタルデータを4次元的に具現化する斬新な手法でシーンをリードする気鋭の建築家、豊田啓介さん。そのフィールドは分野の垣根を軽々と飛び越え、プロダクト、ファッション、音楽、都市にいたるまで多岐にわたります。この日着用していたのは、2017-18年秋冬コレクション「ROLL」で技術開発として携わった注目のブランド、ANREALAGEのジャケットです。
事務所に駆けつけ、バッグを置く間もなくミーティングを開始。そんな多忙を極める豊田さんの傍らには、ザネラートの新作「スクエロ」が。構築的なフォルムと落ち着いた色合い、リッチな質感、高い剛性。バッグとしての基本性能の高さは言わずもがなですが、とりわけ特徴的なのが、そのプロポーション。縦型でも横型でもない、正方形のビジネストートは、建築家である豊田さんのパーソナリティとの相性も抜群です。
「普段はカジュアルなトートバッグばかりですが、友人がやっているヒグマドーナッツというお店のオリジナルトートなど、自分の好きなものやサポートしているものをアピールできるものが好きです。ただ、バッグとしてのストラクチャーが根本から異なるザネラートのバッグを見ると、『よく考えられてるな』と感心しますし、『やはりいいものはいいな』と思いますね」
コンパクトでどこに持ち歩くのも便利な「スクエロ」は、シーンを選ばない汎用性、毎日ハードに使いまわせる堅牢性にも優れています。
ありそうでない、正方形フォルムの真価。
普段、ゆっくり休憩する暇はないけれど、気分転換や脳内のリセットに欠かせないのが、オフィス近くにある「SWITCH COFFEE TOKYO」だといいます。
「自宅にも事務所にも近いこのコーヒーショップは、数ある東京のお店のなかでもベストといって過言ではないくらい、美味しいコーヒーを提供してくれます。世界最高峰のレストラン『noma』の総料理長を務めるレネ・ゼネピも絶賛し、東京に滞在する際には必ず立ち寄るというほど。以前は摂る水分すべてがコーヒーというくらいでしたが、健康のため最近は控えめにしているんです(笑)。でもここのコーヒーは欠かせませんね」
「事務所で終日過ごすという日は決して多くなくて、ほとんどがクライアント先からクライアント先へのタクシー移動、その隙間にカフェでパソコンを開いてメールのやりとりや作業を行うという、ノマドワーカーのような毎日です。だから必要なものはすべてバッグに詰め込んで移動しています」
雑多な荷物をざっくり収納し、スマートに持ち運ぶ。ビジネスシーンでも上品かつ軽快に立ち回るのが豊田さんの流儀です。
今回フィーチャーしたザネラートの新作「スクエロ」は、その名の通り均整のとれたスクエアフォルムのビジネスバッグ。しかし、その名はただの”正方形”(スクエア)ではなく、ベネチアのゴンドラ造船所で使われている、船大工にとって最も重要な道具である”Squara(スクアラ)”、そして造船場を意味する”Squero(スクエロ)”に由来します。スマートでエレガントな佇まい、無駄を削ぎ落とし精度を高めた緻密なつくりが、気鋭の建築家のインテリジェンスと絶妙にシンクロします。
使い心地のよさと、使いやすさを両立。
この「スクエロ」のボディには、ブランドの象徴ともいえるブランディーン柄を配した「ブランディーン」素材を使用しています。切手の消印にある波線をモチーフとしたプリントが印象的で、PVCコーティングを施したキャンバス地は軽快そのもの。ヴルカーノという深みのある新色が、シックで洗練された雰囲気を生み出します。
「ヴィチェンツァにあるアンドレア・パッラーディオが手がけた建築には、学生時代にとても大きな衝撃を受けました。思い出深いヴィチェンツァのブランドというのは、ザネラートの魅力ですね。そしてこれ見よがしなブランドロゴではなく、パターンで静かに主張するアイデンティティにも好感がもてます」
シンプルにして機能的な構造は、多忙なクリエイターがバッグに求める必須条件です。特に、移動中に図面やデータの確認をしなければならない場面の多い豊田さんにとって、デジタルガジェットをスマートに持ち運べることは外せない要素といえます。
「ノートパソコンやタブレット、モバイルWi-Fiやその充電器などの周辺機器でいっぱいになってしまうので、バッグのつくりはシンプルかつ整然としているのがいいですね」
普段から都内の打ち合わせであれば自転車で移動することもあり、トートバッグを肩掛けで持つことが多いという。「ショルダーストラップ付きなのもありがたいですね」と話す、豊田さん。すっきりエレガントに見せたい時は、手提げか肩掛けで。アクティブに動き回りたい時には、ストラップを付けてハンズフリーに。さまざまなシチュエーションに合わせた使い方ができるのも、「スクエロ」の大きな魅力です。
正確性と実用性を極める「スクエロ」は、最先端のデザインを実践する豊田啓介さんのクリエーションと、どこかイメージが重なって見えます。 バッグというツールには、なにより本質的な機能美が求められているのです。
問い合わせ先/アマン TEL:03-6805-0527
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