日産自動車、伝説の名車を振り返る。【R380(A-Ⅱ型)編】

写真:谷井功 文:清水雅史(モンキープロダクション) 協力:日産

空力特性を徹底的に追求することで、美しいフォルムが生まれた。 R380は、日産と合併する以前のプリンス自動車工業が開発した、戦後日本初のプロトタイプレーシングカーだ。63年に第1回日本グランプリが開催されると、プリンスは「市販車無改造」という紳士協定を厳格に解釈して臨んだがゆえに惨敗する。翌年は、ホイールベースを延ばすという荒技で6気筒エンジンを詰め込んだ「スカイラインGT」を用意。万全の体制で臨むが、式場壮吉の駆る「ポルシェ904」に優勝をさらわれてしまった。そして打倒ポルシェを掲げ、64年に開発をスタートさせたモデルである。 上写真、A-Ⅱ型の流麗なプロポーションにしばし見と...

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