Vol.31 ハウ・ハイ・ザ・ムーン

文:佐藤早苗 編集:山田泰巨

まもなく没後30年を迎えようとし、いまなお世界的に評価の高い日本のデザイナー、倉俣史朗。その代表作のひとつがエキスパンドメタルでできた「How High the Moon」です。メタルの堅牢さをもちながらそれと真逆なやわらかさを感じさせるフォルム、透き通る影のような儚い存在感……。1960年代に彗星の如く現れ、その研ぎ澄まされた感性で世界を震撼させた倉俣は椅子の歴史に新たな文脈を生み出しました。

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