手を動かして気付く、発見から始まるデザイン

 安価で耐久性の高い建材として、さまざまに用いられる塩化ビニル管。プロダクト・デザイナーの岩元航大は、この素材の可塑性に注目し、吹きガラスの手法でパイプを個性豊かな花器に変えた。見慣れた素材に新しい表情を与え、今年のミラノ・デザインウィークで大きな話題を集めた作品だ。 「小さな頃からモノづくりが好きでした」という岩元。祖父が漁師で、漁師網を編むのを手伝い、ガレージにある工具を遊び道具にして育った。そしてプロダクト・デザインを学ぶために神戸芸術工科大学へ進学。在学中に学生と教員によるプロジェクト「デザイン・ソイル」に参加した。  大学3年生の春に同プロジェクトがミラノ・サローネに出展、岩...

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