行き着く先は60年代シックか、70年代アヴァンギャルドか。

文:並木浩一 写真:宇田川 淳

好きなタイプの時計を追い求めた結果、最後にはジラール・ペルゴに行き着いた。そんな話をなんども聞いてきた。欲しいと思わせる時計を絶妙のタイミングで出せるセンスの原動力は“ムーブメント製作能力の高さ”だ。基幹ムーブメントであるGP03300のシリーズも、ジラール・ペルゴの大きな魅力である。 今年の新作で登場したのは「GP 1966 ラージデイト・ムーンフェイズ」。くだんのムーブメントに、月相表示とアウトサイズの日付を組み込んだ。0.1mmの透明ディスクを使った“ラージデイト”は桁の間の継ぎ目を感じさせず、日付を送る真夜中には1万分の1秒で瞬転する。ムーンフェイズは星も月もソリッドな質感の別...

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