死後ののぞき見か プリンスの「新譜」でパープル・レイン再降臨

文:ザック・ションフェルド

<プリンス死後初の「新アルバム」は未発表音源集。完璧主義者で知られたアーティストは何を思う> 「照明を落としてくれる?」 24歳のプリンスはエンジニアに声を掛け、自宅スタジオのピアノの前に座った。 後に代表作となる3曲の初期のバージョンのほか、カバーが2曲、未発表の3曲。34分間の弾き語りは、やがて始まる黄金時代の前奏だ。 録音されたのは1983年。既に『ダーティ・マインド』『戦慄の貴公子』『1999』とヒットを連発してスターになっていたが、プリンスは何事にも全力投球だった。 「目の前で誰も聴いていなくても、多くのアーティストがアリーナに向かって歌うときと同じように...

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