戦争映画の概念を変えた『ダンケルク』
ナチスに包囲された兵士40万人を救った「奇跡の撤退」を緊張感あふれる映像で描く クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』は反戦映画か? 答えは明らかにノーだ。 第二次大戦中、ドイツ軍の電撃作戦でフランス北部ダンケルクの海岸に追い詰められた連合軍兵士40万人。彼らを救出する大規模な撤退作戦を描いたこの映画は、イギリス軍の英断とヒロイズムへの賛歌とも言うべき作品だ。 反戦映画ではないが、戦争映画の「お約束」を覆した映画ではある。『ダンケルク』の前と後とでは、ハリウッドの戦争映画の概念が変わる。そんな予感すら抱かせる。 「戦争を描く映画はいや応なしに戦争を賛美する映画になる」...
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