冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代―ボブ・ディラン受賞の驚きと、村上春樹の機が熟した2つの理由
毎年ノーベル文学賞の筆頭候補とされながら、今年も村上春樹氏の受賞はならず。しかし国際社会が「複雑系」へと変化する中で村上文学の価値はさらに高まっている。 それにしてもボブ・ディランの受賞には驚きました。アメリカでもそれほど予想はされていなかったので、NBCの朝のニュースでは速報が遅れたぐらいです。ただ、「現代最高の詩人」だという事務局の説明には納得できるものもあり、やがて世界でも受け入れられていくと思います。 村上春樹氏に関しては、今回も見送りということになったわけですが、以前2013年にノーベル文学賞が「アジア枠」に回りそうだということが言われて受賞への期待が高まったことがあ...
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