松本幸四郎から市川染五郎に受け継がれ、高麗屋の芸を見守り続けてきた稀代の品とは?
Pen 2020年8月1日号 『愛用品と、ともに。』 特集に登場してくれた歌舞伎俳優の松本幸四郎さんと市川染五郎さん。コロナ禍で公演が相次いで中止となる状況のなか、幸四郎さん愛用の鏡台を囲みながら、芸に対する思いを親子で語ってくれた。 今回、愛用品としてご紹介いただいたのは、高麗屋に代々受け継がれた鏡台。幸四郎さんの曽祖父にあたる七代目松本幸四郎さんから譲り受けた。「僕が20代の頃、市川染五郎時代に譲られたものです。鏡台に彫られている三ツ銀杏は染五郎の紋になります」。2018年に十代目松本幸四郎を襲名するまで、長らく市川染五郎としてこの鏡台とともに芸の道を歩んできた。 七代目が誂え...
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