佐藤可士和デザインによる、高級老舗そうめんの食感に舌鼓

写真:長谷川 潤 編集&文:小松めぐみ

手延べそうめんの三大産地は、三輪(奈良)、播州(兵庫)、小豆島(香川)。なかでも最も長い歴史をもつのは、奈良県桜井市の三輪である。 三輪山をご神体として祀る日本最古の神社、大神(おおみわ)神社を中心に発展した三輪は、そうめんの発祥地。その起源は、大神神社の大神主が飢饉の際に小麦を挽いて棒状に縛り、乾燥させて麺にしたことだと伝わる。 山から盆地に吹く北風や適度な気温がそうめんづくりに適した三輪の地では、その後さまざまな製麺所が誕生した。その一軒である「三輪山本」は、江戸時代中期に創業して以来、三輪の手延べそうめんの伝統技法を受け継ぐ老舗だ。細くて強いコシをもつそうめんは、寒期に約...

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