人情と華のあるエリアの“粋な香り”に誘われて。人形町の昭和グルメ3選。

写真:小野広幸 文:小寺慶子 編集:小松めぐみ

人形町、有楽町高架下、荒木町は大人が通いたくなる華のある店が揃う。地元以外からも多くの人が訪れる粋なエリアで、心温まる昭和グルメを味わう。 日本橋・人形町の発展は、大衆の娯楽とともにあった。最盛期は、900人近い芸者が道を行き交う東京屈指の“花街”として栄えたことは有名だが、それ以前も人形浄瑠璃に寄席、大正時代に入ると西洋風のカフェが一大ブームを巻き起こすなど、最先端のカルチャーがここから多く生まれた。しかし、この街の魅力は、往年の名残というような艶っぽさではなく、どちらかといえば心がほっと温まるような大衆の暮らしの面影にあると思う。 それを感じることができるのが、かつてこの場所に...

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