ひと皿に創意あふれる、札幌で活躍する食の革新者たち。

写真:保苅徹也 文:深江園子

札幌のレストランはいま、圧倒的な“個”の時代を迎えている。素材を探求し供する空間を研究する、ユニークなスタイルを築いたシェフたちの世界を追う。 「タカオ」のシェフ、高尾僚将(ともゆき)さんはフランス料理とイタリア料理の経験をもつ。ローカルな食材をうまく取り入れるシェフは多いが、高尾さんが目を付けたのはその中でも森の食材。札幌市に近い支笏(しこつ)湖畔のイタリアンレストラン「アズール」でシェフを務めたことが転換点になった。 在任中に朝の野山を歩き、山菜やキノコを採るのが日課になると、季節に対する感覚が研ぎ澄まされたという。山野草の知恵を与えてくれたのは、野山で会う地元の人々。なかでも...

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