銀座で味わう、季節感あふれるコース仕立ての肉料理。

写真:尾鷲陽介 文:岡野孝次

銀座の肉割烹の新店「肉 うち山」。先付として古伊万里にのせて供されるのは、もなか。あん肝に鶏そぼろ、のし梅、いぶりがっこを忍ばせた餡の弾けるような食感に、口開けの一杯も進む。続く皿は、生センマイと魚介・青菜の和え物。松葉ガニで冬の名残を惜しみ、菜の花に春爛漫を感じる。「季節を盛り込んでこそ肉割烹」という、ミシュラン星付きの日本料理店「銀座うち山」出身、オーナー・工藤淳也さんの矜恃が見てとれる献立だ。 もちろん、主役もお見事。山形牛のサーロインは軽く炙ってウニと一緒に手巻き寿司に、ランプはビフカツに、イチボはステーキで提供する。鍋物にイノシシを使うなど、ジビエで季節感も演出。刺身には馬...

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