実は日本生まれの冷やし中華。その誕生秘話に迫る

写真:土居麻紀子 編集&文:吉田けい

夏の風物詩、冷やし中華。その発祥の地と言われる店の“元祖”と、盛り付けや具材の組み合わせが一風変わった“進化系”、それぞれを食べ比べてみよう。 錦糸卵やキュウリなど千切りにした具とともに、さっぱりとした醤油ベースの甘酢ダレや濃い胡麻ダレで食す冷やし中華。堂々と“中華”と名乗ってはいるものの、中華圏では冷たい麺はほとんど食べないという。実は日本発祥の麺料理なのだ。では、冷やし中華はどのようにして誕生したのだろうか? その秘密を知るのが、神田神保町にある「揚子江菜館(ようすこうさいかん)」。1906年創業の、神田に現存する中華料理店としては最も長い歴史をもつ店である。

続きを読む