祐天寺「もつやき ばん」店主の閃きが伝説に、 レモンサワー誕生物語
午後4時。夏のまだ強い日差しが残る夕刻、「もつやき ばん」の軒先にのれんが掛かる。すると常連と思しき客がひとり、またひとりと店内へ吸い込まれていく。席に座ると、どの客も口を揃えたように「サワーひとつ」とひと言。やがて目の前に焼酎が入ったジョッキと瓶入り炭酸水、そして切り口も鮮やかなレモンが1個運ばれてくる。 焼酎を炭酸水で割り、レモンで味付けするだけ。シンプルで飲み飽きず、料理にも合う。そんなレモンサワーのつくり方を誰が考案したのか定かではない。だがレモンサワーの名付け親で、そのおいしさを広めた店として、「もつやき ばん」の名は歴史に刻まれる。 時は昭和の東京オリンピック前夜に遡る...
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