ドイツの食のニューウェーブは、発酵料理!

文:河内秀子

昨年10月に開店した「オットー」は、ベルリン生まれの27歳、オットー・ウルズスが腕を振るうドイツ料理の店。10席の小さな店は常に満席だという。ベルリンの人々を虜にした秘密は「発酵」だ。 北欧での修業中に発酵食品の面白さと可能性に目覚めたというウルズス。メキシコの「キントニル」や「ノーマ・メキシコ」といった名だたるレストランで腕を磨いた後、ベルリンに戻り、地元の食材で発酵食品を仕込み始めた。そのひとつが自家製の「ガルム」。魚のアラと塩を発酵させてつくる古代ローマの魚醤で、凝縮された旨味が新鮮なイワナと相性抜群。イノシシ肉のタルタルには酸味のある発酵トマトを混ぜて。奥深き発酵料理は今後も進...

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