ハリ感のある「ジル サンダー+」のデニムジャケットで、素材の妙を味わう。

写真:加藤佳男 文:高橋一史

世界のモードブランドがこぞって日本製デニムを使うようになったのは、1990年代以降のこと。当時、ヴィンテージを愛する関西の人々が生地メーカーと開発を繰り返し、本物を凌駕する味わいのあるデニムを生み出した。その生地で仕立てた服が海外に輸出されブームになり、「デニム=日本」の公式が定着したのだ。この2019年秋冬にデビューした新ラインの「ジル サンダー+」は、海外ブランドながら生地から製造まで日本製のデニムコレクションを展開している。掲載のジャケットは、未洗濯の固いデニムで立体的なフォルムを描き出した一着。いまや日本のデニムは、カシミアやシルクに等しい高級生地の仲間入りを果たし、確かなステ...

続きを読む