フレッド・アステアが愛した、踊り出したくなるほど軽やかなスタイリング
「わたしは、何百もの靴と共演するソロをやった。靴たちに命が宿って棚から飛び出し、さまざまな変わったやり方でわたしと一緒に踊るのだ」(『フレッド・アステア自伝』(篠木直子訳、青土社刊)) 自伝にこんな記述を遺したアステア。多くの靴と一緒に撮影されたポートレイト写真も残されていて、彼はかなりの靴好きだったと推察できる。 映画『パリの恋人』(1957年)で、アステアはダンスシューズのような感覚でグッチの名品「ホースビット ローファー」を履き、華麗なステップを刻む。このローファーは、甲の部分に「ホースビット」と呼ばれる馬具のくつわを模した金属の飾りが付いている。本品をグッチが生み出したのは...
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