香りで五感を呼び起こす、情熱の男が創造した「フエギア 1833」の空間がギンザシックスに

構成・写真(店舗)・文:高橋一史

花に華道があり茶に茶道があるように、香りには香道がある。この3つの伝統文化を総称して「三道」と呼ぶ(ときに書道を含む)。香道では香りを味わう所作を、「香りを聞く」と表現する。五感を研ぎ澄まし香りと向き合い、開いた心から聞こえてくる声に耳を傾ける。この“聞く”という精神性は、幼少期からギター演奏に親しみ音楽に心酔してきた、アルゼンチン生まれの調香師ジュリアン・ベデル(以下、ジュリアン)がつくり上げた香水の世界と重なる。ジュリアンは自身の芸術作品である香水を展示販売するギャラリー「フエギア 1833」を世界5カ国につくった。ここでは訪れた人が100種類以上の香りを“聞く”。その目的は心と身...

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