フレンチワークを日本に運んだ店、「ETS.マテリオ」が復活! 新生スタートの軌跡を追った。

構成・写真・文:高橋一史

その店「ETS.マテリオ」は、ヨーロッパの街角のごとく小さなファッションの路面店が軒を連ねる、東京・渋谷のファイヤー通りにあった。通りのもっとも端の最も人通りの少ない場所。渋谷駅前の喧騒が苦手な人なら、原宿駅から国立代々木競技場横の坂を下っていけば心穏やかに辿り着けた。自分の時間に浸りたい大人がふらりと寄る隠れ家。オープンしたのが2003年、店が畳まれたのが08年というわずか5年間だけの営業だった。 趣味性の高い音楽や映画がヒットしないケースがあるのと同様に、こだわりの店も売上を維持できるほど客を集めないことがある。ETS.マテリオはおそらく時代に先駆けすぎていた。ファッション関係者...

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