世界最古のラグジュアリーレザーグッズメゾン「デルヴォー」が語る、“ベルギーらしさ”とは。

文:髙田昌枝(パリ支局長)

ベルギーの首都ブリュッセル。街はずれの住宅地に、以前は軍隊の兵器庫として使われていた煉瓦造りの歴史建造物がある。その一角を占めるのがデルヴォーの本社とアトリエ、そして完成したばかりのミュージアムだ。 デルヴォーの創業は、ベルギー王国誕生の1年前にあたる1829年。トランク製造業者として出発した世界最古のラグジュアリーレザーグッズメゾンであり、83年以来、ベルギー王家御用達の栄誉を守り続けている。 「ミュージアムをつくったのは、語る物語がたくさんあるから。だがコンセプトは回顧だけでなく、過去と現在を未来へ繋げることなのです」と言うのはCEOのジャン=マルク・ルビエ。アトリエを縦断し荷...

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