秩序と無秩序のはざまで爆発的な発展を遂げた「昭和の建築」を、本で愉しむ。
荒廃からの復興、才人たちの創造力、自由がもたらした無秩序などさまざまな要素が混じり合い、世界的にもユニークな発展を遂げた昭和時代の建築。ロマンと魅力あふれるこのテーマとじっくり向き合える書籍を、建築史家の倉方俊輔さんがセレクトした。 いま私たちを惹きつける「昭和」とは、いったい何だろうか? 時が経つと、物事はよく見えてくる。目の前に残っているものも、記憶の中にあるものも、角が取れて、味が出てきて、ノスタルジックな魅力を帯びる。「昭和」に目を向けたくなる気分に、そんな「レトロ」な効果が働いていることは確かだろう。 でも、それだけでなさそうだ。こんなことやっちゃっている...
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