予想していなかったゴールこそ、手応えがある。

文:猪飼尚司

館名を掲げるのではなく、ブルーのネオン管でかたどった木のモチーフを建物の壁に複数配置して「青い木が集まった森」を表現し、サインとした青森県立美術館。変形させた書体をロゴに用いた東京・立川の複合文化施設「PLAY!」。菊地敦己が繰り出すデザインには、独特の「間」が存在する。昨年手がけた展覧会図録『野蛮と洗練 加守田章二の陶芸』は、日本のグラフィック界の最高賞と言われる「亀倉雄策賞」を受賞。造本計画だけでなく、編集、撮影、印刷すべてにデザイナーの力が発揮されていると評価が集まった。独自の路線を貫いてきた菊地は、これまでの道のりをどのように捉えているのだろう。 「いつもなにかをつくらなきゃ...

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