心に働きかけるなにかを、デザインで打ち出す。

文:土田貴宏

「we+(ウィープラス)」は、林登志也(はやし・としや)と安藤北斗(あんどう・ほくと)を中心とする、ユニークなデザインスタジオだ。彼らが標榜する「コンテンポラリーデザイン」とは、実用性や美しさを重視する既存のデザインと一線を画す。たとえば2019年に発表した椅子『ヒープ』は、無数の鋭角的なピースですべてが構成され、座ることを拒否するような姿をしていた。彼らは言う。 「一定のクオリティをもつ大量生産された椅子は、産業革命を経て世紀に行きわたった生活必需品ですが、そこに僕らは新しい視点をインストールしたい。その椅子がもたらす違和感が、人々の価値観を変えるきっかけになるかもしれません」 ...

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