セックスとは何か? 映画「海を感じる時」を観て考える。

 1978年に、18歳の中沢けいによって発表された小説『海を感じる時』を映画化したのが本作です。第21回群像新人賞を受賞、当時は現役女子高生が赤裸々に性を描いたスキャンダラス文学として一躍脚光を浴びました。  本作は、設定は70年代のままに、主人公の高校生・恵美子が、同じ高校の新聞部の先輩・洋と突然身体の関係をもつことから始まります。「決して君が好きな訳じゃない。ただ、キスがしてみたい」「女の人の身体に興味があっただけ。君じゃなくてもよかった」と告げる洋は、恵美子に迫ります。  幼いころに父親を亡くし、母親に厳格に育てられ、愛を知らずに育った恵美子は、それでも洋を受け入れ、求め、自ら...

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