“イキイキした死体”と青年の奇妙な冒険物語、『スイス・アーミー・マン』が衝撃的です。

文・細谷美香

『ハリー・ポッター』のダニエル・ラドクリフが死体を演じ、オナラではじまりオナラで終わる。一体何のことやらと思われるかもしれませんが、『スイス・アーミー・マン』は本当にそんな映画です。物語の幕開けは、無人島。助けを求めても人っこひとりやって来ず絶望した青年、ハンクが首を吊ろうとしたその瞬間、波打ち際に流されてきたのは男の死体でした。ブブ~ッとオナラを奏でる死体にまたがってみると、まるでジェットスキーのように勢いよく沖へと出発! ハンクは無人島からの脱出に成功したものの、気づいたときにはまた別の島。死体を背負って大自然のなかに入って行くと、なんと彼は自分の名前をメニーと名乗り出すのです。

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