名建築で知られるベルリンのユダヤ博物館が全面リニューアル

文:河内秀子

ヨーロッパ最大のユダヤ博物館として2001年に開館した「ベルリン・ユダヤ博物館」が、2年間のリニューアル期間を経てこの8月末、再びその門戸を開いた。脱構築派建築家のダニエル・リベスキントによる建築で有名なこの博物館。ジグザグの形をした建物に、剃刀で切りつけたような形の窓や、息が詰まるような鋭角の空間、斜めに傾く壁、迷路のような廊下などが、ユダヤ人の苦しみの歴史を表現している。 これまでは展示物がない方が建築のもつ強いメッセージが感じられてよい、との声もあった。リニューアルした常設展では、展示物と建築が表現する世界観が呼応するよう展示法を工夫。また、新たな研究成果や、ドイツにおけるユダ...

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