27歳の俊英監督が、ロック・レジェンドの映画に込めた思い。【ザ・バンドの魅力を探る。Vol.1】

文:岡村詩野

10月23日(金)から公開が始まる映画『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった』。監督したダニエル・ロアーの名前をよく知っているという人は、相当な映像作品通に違いない。なぜなら、ロアーは少年への虐待を繰り返すある聖職者を取り上げた『Survivors Rowe』や、ウガンダの先住民族の苦闘を描いた『Ghosts of Our Forest』など、おもにドキュメンタリー作品の領域で活動してきた若きディレクターだから。しかも、世界中のさまざまな社会問題を扱った彼のフィルモグラフィーのほとんどは日本では公開されていない。そんな弱冠27歳の硬派が親以上に年齢が離れた、世界規模で知られるカナダ出身の...

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