僕が高校時代にカバーした音源を、褒めてくださって。 ──佐野史郎が明かす、大滝詠一の知られざるエピソード

写真(静物):青野 豊 文:澤田真幸

高校生だった1970年に、はっぴいえんどの「12月の雨の日」を聴いて衝撃を受けて以来、いまに至るまで熱心な大滝詠一ファンであり続けている佐野史郎。93年にラジオ番組で初めて対面した時は、高校時代にカバーしたはっぴいえんどの「春よ来い」のカセット音源を持参。大滝本人に聴いてもらったことがあると明かす。 「ずっとファンで居続けたんだという想いを伝えたい一心でした。いま考えると怖いもの知らずですが、当時はとにかくわかってくださいという気持ちを抑えられなかったということですね。リップサービスでしょうが『鈴木慶一よりうまい』って言ってくださいました(笑)」 これを機に交流が始まり、年に1回は...

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