当時の“シティポップ”は、人間の鳴らす楽器だけで高い完成度を実現した。 ──原田夏樹が語る、大滝詠一の世代を超えた影響力。

文:松永尚久

哲学的でありながらも日本人の琴線に触れる言葉や旋律を感じるサウンドで話題を呼んでいる、evening cinema。その中心人物である原田夏樹は、大滝詠一を筆頭にした日本のシティポップに多大な影響を受けて楽曲を制作しているという。 「僕の音楽原体験は、ザ・ビートルズなどの洋楽だったので、日本の音楽には少し距離を置いていたんです。でもある時、両親の影響で山下達郎さんなどを耳にするようになると、日本のポップスは洋楽を折衷させてオリジナルなものをつくり出していることに気づき、そこから聴くようになりました」

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