『そして父になる』と見比べたい、映画『もうひとりの息子』がヒリリと胸に痛い。
我が子を取り違えた父親たちの葛藤を描く映画『そして父になる』がヒットしています。もし、その“取り違え”が海外で起こったら、同じような物語になるのでしょうか? 『もうひとりの息子』はまさに、時を同じくして作成された取り違え映画。ですが、この映画が焦点を当てるのは、取り違えられた子どもたちです。運命の皮肉、湾岸戦争のさなか、パレスチナ人の息子はテルアビブに暮らすフランス系イスラエル人の家族のもとへ、イスラエル人の息子はパレスチナの貧しい機械工の家族のもとへと取り違えられました。 それに気づいた18歳のある日、立場は一瞬にして180度変わります。国を隔てる大きな壁の両側で対立する民族、国...
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