女優・長澤まさみが『MOTHER マザー』で見せる、親子の根源的な欲求と愛のかたち。

文:細谷美香

シングルマザーの元で学校にも通えずに育った少年が、やがて殺害事件を起こしてしまった実話から着想を得て生まれた映画、『MOTHER マザー』。『光』『タロウのバカ』など話題作を手がけてきた大森立嗣監督が、息子に執着する母親と、母親が世界のすべてとも言える息子との関係を描きました。主演の母親を演じたのは、長澤まさみ。これまでには見せたことのないいくつもの表情を、スクリーンに刻み込んでいます。 ゆきずりの男たちと関係もち奔放な生活を送るシングルマザー、秋子。彼女の息子、周平は学校にも通えず、母親とその男と各地を転々としながら生活を続けます。やがて親子はホームレスになるまでに落ちぶれ、周平は...

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