60年代若者文化を席巻した「劇画ブーム」をけん引した伝説のクリエイター・平田弘史の、本格的展覧会を「刮目して見よ!」
60年代のマンガ業界のみならず、日本の若者文化全体を席巻した「劇画」。劇画がスタートしたのは50年代後半の貸本マンガでした。それまでのマンガよりも、カメラワークを駆使した大胆なコマ割りや、リアリティのあるキャラクターの心理描写を組み込んだ新ジャンル・劇画は、青年層読者に支持されて一大ブームを築きます。 その怒涛の劇画界で気を吐いていたのが、一晩で描き上げた処女作「愛憎必殺剣」でデビューし、妥協を許さない創作姿勢、作品の痛烈な思想が、多くの後進に影響を与えた伝説の時代劇画家・平田弘史です。理不尽な格差社会への怒りと悲しみ、そして抵抗のスピリットは、もちろん今でも健在。また大友克洋といっ...
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