ゴールのない役者の道を行く、映画を信じて。
「ある意味、この映画は挑戦ですよね。僕が演じる郵便屋はサングラスをかけたままで、目で芝居ができない。その佇まいとシルエットがおもな表現。台詞は本当に少ないですし、しかも相手がペンギンですよ、擬人化された(笑)」 1983年の相米慎二監督作『ションベン・ライダー』でデビュー以来、映画を主戦場として、その最前線を走り続けてきた永瀬正敏が「挑戦」と呼ぶ映画 『ファンシー』 。シュールな物語を通して人の本質を突く山本直樹の同名漫画を原作として、郵便屋(永瀬)と詩を詠むペンギン(窪田正孝)、そして押しかけてくる女性ファンの3人を中心に、寂れた温泉街の人間模様をオフビートで綴ってゆく。 「テレ...
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