【プロが薦めるいま読むべき3冊】社会学者・大澤真幸が選んだ〈哲学〉の本
「コロナ時代の哲学」と題した、自身の主宰する思想誌『THINKING「O」』第16号を昨年上梓するなど、現代のさまざまな問題に正面から対峙している社会学者が、大澤真幸だ。 「コロナ禍で、原理的に問い直すべき問題が見えてきている。学問的なジャンル分けにおける“哲学”ではなく、あらゆる学問のベースにある哲学を問い直す視点で3冊を挙げました」 まず佐々木実著『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』。宇沢弘文は、1950年代半ば、アメリカ経済学界の最重要人物で後にノーベル経済学賞を受賞するケネス・アローに論文を認められ、渡米。スタンフォード大学、シカゴ大学などで教鞭を執る。 「宇沢...
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