Vol.25 ディテールまで本を分解する、スイスのブックアワードの年鑑。

電子書籍の登場によって、物質的な紙の本は大きな転換期を迎えました。その存在が淘汰されてしまうのでは……と危ぶまれた当初の予想に反し、実はその後の刊行タイトル数は増え続けています。手順やコストといった制作手段の多様化に伴い、ニーズに応じた選択の可能性が広がったこと。アーティストが自身の表現の場として本という形態を選ぶようになったこと。さまざまな要因はありますが、つくり手にとっても読者にとっても、より出版という取り組みが身近になったように思えます。 多種多様なアートブックとの度重なるめぐり逢いのなかで、ひと際存在感を放つ本にすっかり胸を鷲掴みにされることがあります。それは必ずしも華美だっ...

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