模型で日本建築の成り立ちを学ぶ、東博『日本のたてもの—自然素材を活かす伝統の技と知恵』。

写真・文:中島良平

東京国立博物館、国立科学博物館、国立近現代建築資料館の3館で同時開催されている『日本のたてもの—自然素材を活かす伝統の技と知恵』。国内のさまざまな建築物を模型で紹介するこの展覧会において、東京国立博物館 表慶館で行われているのが、「古代から近世、日本建築の成り立ち」をテーマとする展示だ。 そもそも文化庁では1960年より文化財建造物模写・模造事業を行ってきた。模写図を製作する目的は、経年変化によって剥離や変色が進行する文化財建造物の、当初の鮮やかな姿を後世に伝えることだ。また一方の模造事業としては、歴史的建造物の修理を行う際にその方法を検証し、構造を記録保存するために建築模型が製作さ...

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