平凡な日常の織りなす光景を、スペクタクルに描いたヒット作。
50人いれば、50通りの人生があり、100人いれば、100通りの人生がある。本書は、そんな当たり前のことをしみじみと味わえる連作短編集。51人(50人の予定がひとり増えたらしい)を主人公にした50の短編に描かれた人生は、それぞれが少しずつ絡み合う。 女子高校生のナウンは、アルバイト先で残った食べものをさりげなく分けてくれるクラスメートのスンヒのことが好きだった。仲良しのグループではなかったけれど、彼女の優しさに救われていたからだ。しかしスンヒは突然、学校に来なくなる。 詩人のユンナは週末の朝、ベーグル屋さんに行くのが好きだった。そのベーグル屋さんでアルバイトをしていたのがスンヒ...
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