世界の権力者の都市計画と比し、固定化した北朝鮮像が覆る。
平壌(ピョンヤン)を流れる大同江(テドンガン)に沿って立つチュチェ(主体)思想塔。その頂上からは街を俯瞰することができるのだが、ある時期ガイドに「こちら側は撮らないように」とキツく言われたことがあった。いま思えばあれは、金正恩(キムジョンウン)の平壌改造の目玉、「未来科学者通り」を建設していたのだ。私はこれまでに北朝鮮を7回訪問したが、近年特に感じるのが平壌の驚異的な変化である。 その裏側にあるものはなにか? 著者は、世界史的な文脈から読み解いていく。ナポレオンのパリ、ヒトラーのベルリン、スターリンのモスクワ……。“巨人”たちは自らの首都を「箱庭」として造成するが、その誰もが困難に...
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