現代女性の痛みを突き付ける、韓国発のベストセラー『82年生まれ、キム・ジヨン』を映画化。

文:細谷美香

【Penが選んだ、今月の観るべき1本】 仕事を辞め、2歳の娘の育児と家事に追われる1982年生まれのキム・ジヨン。時折、誰かが乗り移ったような言動をするようになり、精神科医の診察を受けるが……。女性の生きづらさや社会からの抑圧を綴り、韓国で130万部以上、日本で20万部以上のベストセラー小説を映画化。誰かの娘、妻、母ではない“私”として生きていくために必要な処方箋はなにか。原作にはないその先も描き出し、未来への提言を投げかける。 『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』が描く、分断される世界に差す一筋の光。 戦争前夜の日本で主人公が知ってしまった、恐ろ...

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