寺山修司の名作に挑んだ、しなやかなケモノ 菅田将暉。
寺山修司の小説『あゝ、荒野』が映画化された。前・後篇で5時間超の大作である。路上で出逢った新宿新次(菅田将暉)とバリカン建二(ヤン・イクチュン)というふたりの青年がボクシングに懸ける。ユースケ・サンタマリア演ずる「片目」も『あしたのジョー』の丹下段平を意識した役どころでシブい。ちなみに寺山は〝ジョー〞の主題歌の作詞をしているが、原作はそれより早い1966年刊だ。 菅田将暉が素晴らしい!人気の若手俳優で、ラブストーリーからコメディまで自在にこなし、カメレオン俳優とも呼ばれる変幻ぶりだが、遂に本領発揮。木下あかりとの濡れ場(ベッドシーンというよりセックスシーンだ)では、裸になってむしゃ...
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